学生時代に世界一周!日本の価値ある文化を残すべく訪日外国人向けメディアを運営する青木社長
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株式会社MATCHA
代表取締役社長
青木 優
明治大学国際日本学部卒。学生時代に世界一周の旅をし、日本の文化を発信することを決意。訪日外国人向けメディア「MATCHA」を運営。世界180ヶ国以上からアクセスがあり、様々な企業や県、自治体と連携し情報発信を行う。
青木社長、本日はよろしくお願いします!まず学生時代について教えてください。
大学1年生の時はサークルに入ったんですが、集団行動に慣れなくて半年で辞めちゃいました。その頃は、塾講師とか飲食店でキッチンのバイトをしたり、当時流行ってたミクシィの古着コミュニティで古着の売買をしてました。当時はそれで月10万円ぐらい稼げたんですよね。
古着を売って月10万稼げたらすごくいいですね!私も古着とか好きなので親近感湧きました!他にはどんなことをしていましたか?
自分で1年生の時に服を売った経験が面白かったし、そこをもっと伸ばしたいと思ったので、大学2年生の時から学生インターンを始めました。業務内容はネットショップの店長として月に100万売り上げるというものだったんです。インターンシップに偶然受かって、学校に行かなくなるくらい働きましたね。大学の授業のような座学が苦手で違う道を探していたっていうのもありました。
2年生で店長として働いたんですか!すごいですね!!
座学ではなく、実務経験を通して学びたかったということですね!
そういうことです。それで、3年生の時に日本でTwitterが流行り出したので、自分もTwitterを始めて、孫さんとかホリエモンさんがフォローしている人を全員フォローしてみたんですよ。そしたらYahooの執行役員になった人が自分にフォロー返してくれて、ダメ元で「会いたいです」ってメッセージ送ったら本当に会ってくれたんです。そこで、自分の世界が開かれた感じはしました。
ええ!会うことができたんですか。
そうなんです。他にもTwitterを使っていろんな学生や社会人に会うみたいな経験をして、3年生の12月頃に初めてバックパッカーで海外に行ったんですよね。タイ・カンボジア・マレーシアを2週間ぐらい回ったんですが、その経験がとても良くて、もっとしたいなと思ったので、大学4年生の時に休学することを決めたんですよね。
その軸とはどんなものだったのですか?
僕が4年の時に海外で外務省と連携しながら、日本の文化を広げている人がいて、その人が日本の文化は世界では知られているけど、日本人がビジネスできていないという話をしていたんです。それを聞いてチャンスだと思いました。なので、それを軸にしながら、世界からの目線で日本を見て旅をしようと思いましたね。
日本の文化でビジネスにできるような何かを得る、そういった軸で旅をしたのですね!その軸を決めて旅をしたことで良かったことなどはありますか?
やっぱり、日本の文化の広げ方とか海外に日本はどう見られているのかを意識的に見るようになったんですよね。そうすると出会う人とか触れるものとかが、いままでと変わってくる部分があって、日本に帰ってきた時に日本を相対的に見ることができました。日本にいたら日本の良さも分からないので、普段いる場所を離れてみて、自分と違う常識の人と対話するみたいな、当たり前は当たり前じゃないことを痛感させられるっていう経験が一番大きかったです。
やっぱり、日々情報に触れていると自分自身について考える時間って少ないからこそ、瞑想を通して、改めて考えることができたのですね!
日本を相対的に見たときに今まで見ていた日本と世界から見る日本の違いは何でしたか?
それは色々ありますね。アメリカだとなんか思い浮かぶものってありますか?
アメリカは、ハンバーガーとかお肉とかジャンクフードなイメージです。
そしたら日本だと何が思い浮かびますか?
日本はお寿司とかヘルシーな食事っていうイメージです。
日本食ってめちゃくちゃ幅広いんですよね。寿司もそうだし、定食も生姜焼きも日本食的な味付けだったり、日本の地方ごとの特色がある。それが美味しくてバリエーションがある。かつ、安い。
確かにそうですね!
日本食って、食べる人の健康だったりを配慮した形で提供されていて、日本食じゃなくても日本で提供されている食べ物って、意識的にその観点が広がっていますよね。これは日本の文化として広がっているなと感じましたね。
なるほど!ところで、大学卒業後は起業せずに映像会社に就職されたそうですが、そこで得られたことや今に生きていることはありますか?
何か見たとき、何かに感動したときにそれが何が良いと思ったのかなどを自分の言葉を表現できたりするようになりましたね。組織内に感性の良い人たちが集まっていたので、自分が感じたことをそのまま口に出して、それを分かち合うことの楽しさやそれを通じて何かを作ることの面白さを学びましたね。
そうだったんですね!起業する際のきっかけは何でしたか?
大学を休学して海外旅行して、日本の事をもっと知りたいと思ったし、日本の事を説明できないと思ったので、日本各地を1周したんですね。その時に、地域ごとに良さってたくさんあるのに自分も知らないところばかりでした。いい文化はたくさんあるけれど、そのいい文化が表に立たず、どんどんなくなっている事実もある。海外の友人も日本の文化を知りたいって言っているのにそれを発信しようとする人が少なすぎる。そこにギャップがあるなと思って、そのギャップを埋めたいと思っていました。
それで、映像会社を半年でやめてやりたいことを考えた時に、やっぱり、日本を発信していきたいと思いました。日本を知りたいという海外の方と日本を繋げるメディアをやったらいいじゃんと思って、今の会社を立ち上げました。
そうだったんですね!!
その当時の起業をするときのモチベーションはどんなものでしたか?
そうですね、純粋にやりたいと思ったこと・自分はそれができると思ったこと・これからの時代が重なるところの3つですね。
僕自身、仕事も好きですし色々やりたいことはありますけど、自分で全部できるとは思っていなくて、自分が持っていないものを持っている人に声をかけてやってみたいなというのもありましたね。
その3つが起業する際のモチベーションになっていたのですね!
では、起業の中で一番苦労したことはなんですか?
それは、組織作りです。僕自身、今まで特定の組織に属した経験やリーダーシップを発揮する経験があまりなかったんです。正直、なにでどうやって組織を作ればいいのかわからなくてとても困りましたね。失敗などをする中で、定期的にミーティングをして、お互いの考えを共有することって大事なんだなと分かりました。当時は何も言わなくても、これだけ考えてるんだからわかるでしょって思ってました。今思えば、だれが何考えているのかなんてわかる訳ないじゃんって感じですけどね(笑)
確かにそうですね。ところで失敗のお話しを具体的に教えていただけますか?
立ち上げ初期の失敗なのですが、僕はインバウンド向けのメディアをやりたいと思っていたんですけど、当時の編集部の人はインバウンド向けだけではなく、日本人にも届けたいと思っていたんですよね。だからエネルギーが50%・50%に分かれてしまって、結果的にその人はやめちゃったんですが、初めからコミュニケーションが取れていれば、100%で今の事業に取り組めて、スピードがあったかもしれないという失敗ですね。
事前に共有して意見のすり合わせをすれば、よかったということですね。
そのような失敗が起こらないように青木社長が取った行動はありますか?
そうですね。組織崩壊を通じて変わったのは、やることやらないことを明確に決めることだったり、「僕たちは~をやる会社」という風にはっきり言うようになりました。
それでは、起業から現在まででどんな人材を採用し、育成していったかを教えていただきたいです。
どんな人かで言ったら、いくつかありまして、日本が好きな人・日本の持っている文化資源に対してポテンシャルを感じている人・基本的なスタンスが前向きの人・何か挑戦していこうという意欲がある人・周囲と協力し合ってその人ができることできないことを理解している人ですね。そういった人はなるべく採用したいと思っていますし、今のメンバーはそういった人が多いと思います。
育成面はいかがでしょうか?
育成は正直あまりできていないとは思うんですが、なるべく機会を提供することは意識しています。 でも「~をやってください。」が育成ではないと思っていて、メンバーとの対話を通じてその人に必要な仕事・やるべきことは何かを考えて、
できたら称賛するようにしています。
なるほど。機会提供を通じて主体的に成長するように促しているのですね!
それでは、MATCHA様では外国の従業員の方が多いと思うのですが、その理由などはございますか?
台湾のことは台湾の人が一番詳しいというように、その国の人とのパートナーはとても貴重だと思っているからですね。
なるほど!!社内雰囲気が良くなるような取り組みなどはありますか?
オフィスの1階で飲み物を作ってくれるんですよね。そうするとみんなそこに集まるので、メンバー同士が会話をするようになる状況になって、相談の場が気軽に生まれるので、とても良いと思っていますね。あと、1on1とかはよくやっていますね。上司から部下に言うのではなく、その人のそれぞれの悩みややりたいことの方向性を聞く場を頻繁に作っています。その人のやりたいことと会社の方向性が重なるように意識して対話をしてますね。
従業員の考えをしっかりと聞くことを重視しているのですね!
今後どんな会社運営を行っていきたいかなどのお考えはありますか?
会社のビジョンが「日本の価値ある文化が、時代と共に残っていく。」なんですが、このビジョン実現を一緒にやっていくパートナーを増やしていきたいと考えています。
MATCHAの正社員でなくても、副業や業務委託、アルバイトだったり、多様な人たちがビジョンに対する思いを一つにして集まるような会社にしたいなと思っています。その上でMATCHAという会社の枠を超えた世界を広げていきたいなと思います。
なるほど。コミュニティを作り、共感する人みんなでビジョンを実現したいということですね!!
最後にMATCHAを通じて創りたい社会や目指しているゴールはありますか?
僕は文化っていう言葉をよく使うんですけど、文化って何だろうと考えた時に「人が思いを込めて積み重ねてきた営み」だなと思っていて、そこに意味だったりストーリーがあることで、それに触れた人が何かしら感化される。そしてその人も豊かになっていく。
僕はその集合体が日本にはたくさんあると思うんですよね。
日本のいい文化が世界に届いて、それによって日本の良さが残っていくような状態を作っていきたいなと思っています。さらに届けたい人がしっかり届けられるように、またそれを受け取りたい人がしっかり受け取れるような状況を作れたらいいなと思っています。
日本文化が知られていないという状況があり、その文化を発信することで「残す」ということになるんですね!
そういう意味です。
本日は社長の考え方やビジョンにかける思いなど、とても魅力的な内容を伺うことができました。ありがとうございました!
確かに自分と違う常識の場所に行くことで知れることはたくさんありますよね。
他にもその世界一周の旅で良かった体験などはありますか?
インドのヴィパッサナー瞑想をやって、10日間人と目を合わせず、話さず、情報が遮断された状態で1日10時間座禅して瞑想するってのがあるんですね。神様を信じなさいとかではなく、常に自分と向き合いなさい・呼吸に集中しなさいというものなので、自分の過去の記憶をふりかえりそのときの選択の意図とかを紐解くんですよね。そうすると自分の大切なものに気付くっていう体験ができて、それはとても良かったです。
「MATCHA」は、日本最大級の訪日外国人向けのWebメディアです。10言語で対応し、日本の魅力を世界に発信しています。
ビジョンは「日本の価値ある文化が、時代とともに残っていく。」
MATCHAという会社があることで、訪日外国人が日本に来てよかった、日本が好きになった、また行きたいという声を作っていきます。